Chikanism

現実と非現実のあいだ

深夜2時過ぎ、何も言えなかった夜道

夜道を歩いていた。深夜2時過ぎ。

男友達が隣を歩いていて、車がそばを通るたびに彼はわたしを歩道側に移動させた。あまりにも当たり前のようにそれをするので、黙ってされるがままのわたし。歩道側を歩かせてくれる男性って多いけど、彼らは誰にそういうことを教わるんだろうなあ、とぼんやり考えた。

 

今はもう会わないような、むかしの男友達にもそういう人がいた。別にデートをしたとかでも、気になっているとかでもなんでもなく、単にそれは彼のポリシーのようだった。学校から駅までの道でも、彼は同じようにするのだった。当時わたしは男友達も少なかったし、そういう「女の子」みたいな扱いもあまりされたことがなかったので、世の中には本当にこういう人種がいるのだなと驚いたものだ。

彼は道半ばで別れるときに「一人で帰れる?だいじょうぶ?」などとよく言った。「大丈夫やって」と答えるものの、もしここで「一人で帰れない」って言ったら家まで送ってくれるわけ?などと思っていた。言ったことはないけど。

 

深夜2時過ぎ、冒頭の彼は家まで送ってくれるつもりらしかった。送るよ、などとは言わなかったけど、わたしも確認しなかった。でもわたしが手に持ったiPhoneのマップを頼りに歩いていた。途中でわたしを歩道側に移動させようとして、そのまま手を繋いだ。

あ、手繋ぐんだ、と思ったけど、イヤじゃなかったからそのままにしておいた。別段なにも言及せず、手を繋いだまま、どうでもいい話をした。出身地の話とか、バイトの話とか。ちょっとだけ遠回りをしたいような気持ちになったけど、夜遅かったからやめた。ここまでで大丈夫、と言って駅の近くで別れた。

あとになって「手繋いだときなんとも思わなかったの?」と言われたけど、わたしは何も言えなかった。たぶん困った(ような)顔で、うん、とか言ったかもしれない。いつもそうだ。思ってることの8割くらいは伝えないまま終わる。

 

思ったことをちゃんと言ったほうが、自分も相手もきっと幸せだ。だって相手の考えてることなんて、想像はできても答え合わせは直接聞くしかないから。想像することを怠るのはよくないけど、でも汲み取ってよ、なんて甘え過ぎだ。

たぶんわたしは自分の感情を感じることが苦手で、あとになって思ったり気づいたりすることが多くて、時差がある。それもあって、言えないことも多い。あとは言わないほうが穏便に済むかななんて流しちゃったり。

なんで怒らないの、なんてこともよく言われてきた。怒らなきゃいけない場面だなんて、気づかなかった。でもあとからモヤモヤしてたのも事実だ。

 

ちゃんと気持ちを伝えることは、自分にも、相手にも向き合うことだと思う。だから来年は、ちゃんと思ったこと考えたことを伝えられるようにしたい。感情表現が苦手だけど、ちょっとずつリハビリしていきたいな。そしてそれを受け止めてくれて、向き合ってくれるひとたちと関係を続けていきたい。

 

 

年末なのでエモ感のあることを書きつつ、来年の目標に繋げてみました。引き続きよろしくお願いします。(エモっぽいことって恋愛関連のほうが書きやすいんだよね)